HAG2014 制作現場より

結果発表

HAG 日本IBM賞 インタビュー

HAG2014で日本IBM賞を受賞した古山俊輔さん。
そして、HAGをきっかけに古山さんと出会った日本IBM スティーブンさん。
HAG2014への参加から、日本IBMの企業CMの制作・完成までのお話をそれぞれの観点から伺いました。

◎古山さん

『今までの生活と違った、行動を起こすと何か出来上がるので、そういう新しい事をしたかったんです。』

HAG 日本IBM賞 インタビュー

ーHAGに応募したきっかけは?
WEBでコンペの募集を見つけて面白そうだったので応募しました。
今までの生活と違った行動を起こすと何か新しい物が出来上がるので、そういう新しい事にトライしたかったんです。

ーHAG2014の特徴として、最終選考審査は各作家さんによる人前でのプレゼンテーションというものがありました。その時の感想を聞かせて下さい。
あの時は、早く喋って早く帰ろうと思っていたので(笑)
ですが、あのような機会は滅多にないので、すごく自分のためになりましたし、楽しかったです。
また機会があれば、更に良いものをプレゼンできるだろうなと思います。

ーHAGの取り組みについてどう思いますか。
HAGさんの考えと一緒で、受賞作を見たクライアントの方に「こんなに面白いことができるんだ!」と思って頂いて、作家さんに仕事を依頼して頂く機会が増えていくと良いなと思います。
絶対にいいものができると思いますし。コンピューターあれば一人でも作っていけるので、そういう時代かなと思います。

『苦労は一つもなかったです。』

ー(普段からクライアントワークはしていらっしゃいますが)HAG2014でIBMさんのお仕事を担当してみて、どうでしたか?
今回のようにオープンに、好きにやらせていただければ、必ず良いものが出来ると思っています。実際に出来上がってそう感じることが多いので、またこのような機会が増えたらいいなと思います。

ー自由にできたのも、企画の提案がうまくいき、企画段階でクライアントさんと信頼関係が築けたのが大きかったですね。
そうですね。企画段階からIBMさんや制作チームの皆さんと密なコミュニケーションをとることが出来たので、制作がスムーズに進みました。
※ 古山さんは、今回、企画、更に音楽も自分で担当。

ー何か今回苦労した点や、仕事と作品作りの違いを感じたところはありましたか?
時間がかかったことと苦労はやっぱり違うじゃないですか。そういう点では苦労は一つもありませんでした。
今回は、『IBMさんの商品を紹介する』というお題があったので、その点は自分の伝えたいことを伝える「作品作り」とは違いますが、そのお題を自分が描きたい絵で表現できたので、映像的には自分のやりたいものが出来ましたし、違いは感じませんでした。

ー今後、作家 古山俊輔としての展望・ビジョンを聞かせて下さい。
1日30分でも作り続ければ、2年後には作品が出来上がります。アニメーションと一緒でそういう”コツコツ”が大事かなって思っているので、少しずつでもコンスタントに作品を作っていければ良いなと思います。でも本当は、みんなで長編が一番やりたいですね。一人でやるよりみんなで作った方が楽しいので。色々文句も言い合うようになると思うんですけど、でも絶対みんなで作った方が楽しいんですよ。だから、そういう作品を作りたいですね。

ー今後の活躍も期待しています。今日はありがとうございました。

◎IBM スティーブンさん

『このプロジェクトは自由にクリエイティビティを発揮できる』

HAG 日本IBM賞 インタビュー

ーHAGのスポンサーとして、コマーシャルを作ってみていかがでしたか。
まず、会社にとって、本当に素晴らしい機会だったと思います。若い才能をサポートする事ができる非常に素晴らしい機会でした。最初の段階から古山さんの情熱とクリエイティブ性、積極性がすごく伝わって来ました。このプロジェクトはクリエイターが自由にクリエイティビティを発揮できるものだったと思います。彼に自由に作ってもらうことで、いつものIBMのメッセージや広告スタイルとは、全く違うものができました。古山さんのセンスを信頼し、非常に面白くかつ、会社の重要な一面をしっかり語るストリーが誕生しました。 自分たちでリードして進めて行くとこういう方向に行かないなっと、実感し、新鮮な経験でした。

ーコグニティブ・コンピューティング※注1という概念的には難しい、先進的なことを伝えるためのムービーなのですが、その辺りはどうでしたか?
コグニクティブ・コンピューティングの技術の背景は複雑で、私達から制作チームへオリエンしてから、技術の説明に沿ったものが提案されるかどうか、心配していました。複雑な概念を語りながら、三十秒という厳しい制限のなか、彼のクリエイティビティーをいかすものができるかという心配もありましたが、最初の提案段階から、その心配は払拭されました。コグニティブコンピューティングがこんなシンプルに人間性のあるストーリーで表現できた作品になったと思います。
※ 最初の提案で、画コンテ・映像コンテ・イメージ図を元に2つの案のプレゼンを行った(プレゼン時の資料をイメージ図として添付)
※注1:コグニクティブコンピューティング・システムとは、プログラムに依存する従来のコンピュータとは大きく異なり、操作することで機械と人間が対話できる。自然言語を解釈し、膨大な知識や経験から学習。ただ人間が定義した回答を出すことだけでなく、新しい回答やインサイトを生み出すことで、意思決定を支援し、可能性を広げる、IBMの提唱する次世代システム。

ー30秒の映像の中で、メッセージが伝えられていることについてはどうですか。
IBMが語るコグニティブコンピューティングですが、他のメディア・報道の方々でも適切な定義を理解してから報道し、正しい説明をしていただくことが結構難しいものです。古山さんの努力と才能で、こちらの伝えたいことをしっかり表現したものが、魔法のように出てきたと感じました。この機会、この珍しい才能の見せ所ならでは、誕生する自由な発想と結果だと思います。

『自分のクリエイティブ性をいかし、いろんな人に想いを伝えられる力を…』

ー若い映像作家やアニメーション作家の方々へメッセージをお願いします。
これからの世の中、テクノロジーがますます進化し、世界もさらにつながっていきます。その中、人と人とのコミュニケーションがさらに重要になっていきます。何かを表現すること、何かを伝える事、その力がますます重要になると思います。

是非、自分のクリエイティブ性をいかし、いろんな人に想いを伝えられる力を身につけてほしいです。その力を必要としている人はたくさんいますので、古山さんのような先輩の背中を見て、若いクリエイターの皆さんの活躍を期待したいと思います。

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