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2017年度新卒採用 2017年度新卒採用

子供の頃の話を聞かせてください

中学生になった頃ぐらいに、精神的にしんどいことが何度かあって、そんな時いつも自分を救ってくれたのが、映画や音楽といった所謂『エンターテイメント』と呼ばれる類の物たちでした。ヘッドホンをつけてエンターテイメントに触れている間は「色々あるけど人生そんなに捨てたもんじゃない」不思議とそんな前向きな気持ちにさせてくれたのを何となく覚えています。
そういった経緯もあってか、物心ついた頃には「与えられる側から、早く与える側にいきたい」という、ませガキ思考が結構あったんじゃないかと思います。
それが具体的にどういった職種なのか当時はまだハッキリしていませんでしたが、「エンターテイメントという物を通して、くすぶった人や社会に夢や希望を与えられる人に自分はなりたい」とぼんやり思っていました。

将来何かを創作する上で、学生時代に色んな人生経験を積んでいないと説得力がないよなぁと思い、バンドやサッカー、ダンス、DJ、バーテンダー、日本一周など興味を持ったことは一通りやってみました。そうした経験の積み重ねが自分の糧となり、いつかリアリティーのある本物を作れると信じていたからです。

そして、大学は経済学を学びました

勝手な思い込みもあったと思いますが、専門的なことを学んだり、偏った環境に慣れ過ぎると「普通の感覚」を失ってしまうのではないかという気持ちがありました。実際に映像を見る人の多くは「普通の人たち」なわけで、作り手がその「普通の感覚」をわからなかったら、独りよがりの何も届かない物になってしまうと思い、出来るだけ普通の人の「楽しい」や「面白い」「つまらない」とは何なのかを体感するためにも、専門性の高い大学には行かずに普通の大学を選びました。
まぁ良く言うとそんな感じなんですが、単純に当時の自分に決め込むだけの覚悟がなかっただけなような気もします(笑)

どういった就活をしましたか?

就活を始めた時は、人材系の会社なども受けて、早い段階で内定をもらいました。誰かの人生(キャリア)の手助けをすることは、目の前にいる人の幸せと、今後その人が生み出す世界にも繋がっていく仕事だと思い、そういった仕事でも自分はやりがいを感じられるかもしれないと考えたりもしました。
それ以外には、芸能プロダクションでマネージャーとして内定をもらいました。マネージャーの仕事も、プロデュースした人を表舞台で輝かせ、世の中を明るくしていくという部分では、先ほどの話と通ずる部分があったのかなと思います。
これは今になって思うことなんですが、「くすぶっている人や社会を助けることで、自分も救われたい」という気持ちが根底にあって、その手段として『コンテンツ(人も含む)をプロデュースする仕事』を自分はやりたかったのだと思います。

ROBOTを選んだ理由は?

当時、大ヒットしていた『踊る大捜査線』を通じて、ROBOTのことは何となく知っていました。会社のホームページを見てみると、何だかキラキラして見えて「ここにいけば、新しいことや面白いこと、色んな可能性に出会えるんじゃないか」そんなざっくりとした甘い気持ちでエントリーをしたような気がします。
最終的に複数の会社、業界から内定を頂けたのですが、映像やエンターテインメントという物の力をやっぱり信じたくてROBOTを選びました。

働き始めてどうでしたか?

入社前は、プロダクションマネージャー(PM)という職種も知りませんでしたし、映画やドラマに惹かれて入社した部分も正直あったので、広告の仕事をすることに対して「あれ?こういうことがやりたくてこの会社に入ったんだっけ?」なんて思うことも最初は何度かありました。
ROBOTに入社した当時の率直な印象は「意外と普通だな」という感じで、学生時代に勝手にキラキラした業界イメージを描いていたのもあると思いますが、やっていることも、働いている人たちも、特別変わった人はあまりいないと知りました。

プロダクションマネージャーとしてキャリアをスタートして、企画部へ移ります

元々、打ち合わせがあれば自分の企画を出すタイプだったのですが、新人PMが企画を出すこと自体が当時は珍しかったらしく、それを面白がってくれる人もいれば、中には煙たがる人もいたりと様々な反応があったことを覚えています。
そして2008年(入社2年目)に社内で月に一度、部署や役職など関係なく、社員が任意で新規ビジネスアイデアを持ち寄る会議があって、そこで「いまiPhoneのアプリを作ったら、ビジネスとしてチャンスがある。マーケットも取れるし今すぐやるべきだ!」みたいなことを偉そうにプレゼンした所、「う〜ん、そこまで言うなら試しに…」という運びになりまして、PM業務の傍らiPhoneアプリを開発させてもらい何とかリリースするまでに至りました。結果としてそのアプリを見た大企業が声をかけてくれて、タイアップ契約を結ぶまでになりました。そうした自分の言動が考慮されたのかどうかわかりませんが、翌年には企画演出部(現コミュニケーション・クリエイティブ部)へ異動することになりました。

デジタルの仕事から演出、脚本の仕事へ

企画演出部への異動のきっかけがiPhoneアプリだったので、最初はデジタル系のコンテンツ開発やプロモーションの企画案件に呼ばれることが多かったです。ちょうど広告もデジタルプロモーションの需要が一気に高まっていた頃でした。
ただ、そうしたニーズに対してのジレンマはあって、自分は別にアプリを作りたくてこの部署に異動したわけではなく、その時々で「面白いな、新しいな、作る価値があるな」と思った物に自分を投資したいと思っていたからです。

しばらくはそうしたデジタル中心の仕事が多かったのですが、ひょんなきっかけで自動車メーカーのCMを演出させてもらえることになりました。監督のスキルや経験は全く足りていませんでしたが、恥ずかしながら監督として海外で撮影していることに高揚する部分もあったりなんかして、素直にもっと映像をやってみたいと思うようになりました。
そうして監督として一歩目を踏み出すと、周りも「あいつ映像もやるんだ」と見る目が徐々に変わっていって、映像の仕事の相談やプレゼン案件が来るようになりました。もちろん大きな仕事はすぐには来ないので、少しずつ少しずつ自分の立ち位置を作っては周りを見渡して、一段一段上ってきたという感じです。

そして2012年に、社内公募というカタチでTBSの深夜ドラマの企画募集がありました。TVドラマの企画というのも自分のやりたいことの一つだったので、企画とプロットを書いてプレゼンしてみた所、幸いなことに企画が通りまして『終電バイバイ』というドラマの演出と脚本を一部やらせてもらうことができました。

現在は何をやっているのか?

今は大きく分けると『広告制作』と『コンテンツ開発』の2つです。
広告制作だと、CM〜Web〜イベントまで含む全体プロモーションをクライアントに提案したり、映像ディレクターとして社内外の案件に幅広く携わっています。
コンテンツ開発だと、映画の企画を映画部のプロデューサーや俳優と一緒にしたり、ゲームやアニメの企画・プロデュース、遊技機などの商品開発、美術館のコンセプト設計など、気がつけば何だか怪しいクリエイターっぽくなりました(笑)

新しいことに挑戦するときに心掛けていることはありますか?

やっぱり化学変化を起こして、仕事も自分も大化けさせたいという気持ちは根底にあります。どうやったら自分が足し算ではなくて、掛け算の存在になれるのか。自分が新しいことに挑戦するからには、それが新しい物にならなければやる意味がないと思っているので。まぁ言うは易し行うは難しなんですけれど(笑)
あとはやはり謙虚な気持ちと周りへのリスペクトを常に忘れないことでしょうか。そういった当たり前のことをちゃんと当たり前にできるよう肝に銘じています。
新しいことに挑戦するのはとても楽しいですが、その何倍もしんどいです。リスクを背負う覚悟が持てないのであれば、別に無理してやらなくていいと思います。

バランス感覚で勝負する

僕はADや助監督という下積みを経て監督になったわけではありません。どちらかと言うと珍しいタイプの監督だと思います。下積み経験がないコンプレックスも、今となっては逆に自分の武器だと考えるようにしています。色んなポジション、仕事をしてきた中で培ってきたバランス感覚みたいな物が、恐らく自分の一番の強みであって、そこだけは絶対に誰にも負けないと思っています。もちろん、そうした自信は監督をする上で必要不可欠な物ですが、間違って過信にならないよう、その辺りのバランス感も大事にしています。

今後やりたいこと

オリジナルアニメの開発や脚本に力を入れていきたいと思っています。
メディアは増え続け、これから映像の需要はますます増えていくと思いますが、逆に言うと飽和状態になり、映像その物の価値は下がっていくと思います。では何を持って数ある映像と差別化していくのかというと、そこにちゃんとした世界観やキャラクター、ストーリーが存在するか、それが新しいか?面白いか?もはやそこでしかないと思うんです。
個人的には映像の価値や意義、クオリティーが下がってきている現状に何とも言えない危機感のような物を感じています。実写コンテンツがより情報化していく中、グローバルで老若男女が共感できて、子供の想像力が膨らむような作品が今の世の中にはもっと必要だと感じています。
そういった意味でアニメが持つポテンシャルはやはり高いなと。この年齢になって改めてディズニーやピクサーの凄さに痺れます。本物のクリエイティブというのは、人の気持ちを豊かにするためだけに存在するんだなと。

ディレクターを目指す人に

若干矛盾するのですが、2つあります。
1つは、自分はこれが好きで、これが嫌いだという美学を持っていることです。自分のはっきりした線引を持っていないと、いざという時に自分の判断ができなくなります。オリジナルの美学があるということはすごく大切なことだと思うし、それを持っている人は、例え時間がかかったとしても飛躍できると思っています。
それと相反する部分でもありますが、ディレクターは随所で判断をしていかなければならない仕事です。自分の考えや最初のイメージに捕らわれ過ぎると「今、本当に大事なのは何なのか」を見失ってしまう可能性があります。
自分の考えと全然違う意見だったとしても、誰が言ったとか関係なく、本当に良いと思えば、素直に「そっちのほうがいいですね、そうしましょう」とあっさり覆せる人。自分の美学を貫くという芯の部分と、「ここは変えた方が得」という冷静な判断が常にできる部分、この双方のバランス感覚がないと、ディレクターという仕事はなかなかどうして難しいのではないかと思います。

そうしたことにはどうやって気付いたのですか?

これは実際に監督をやってみてわかったことで、やはり最初はこのバランスがどちらかに偏ってしまい、周りの意見に振り回されるみたいなことも多々あったし、逆に自分の美学というか、想いを貫き過ぎて色んな人を敵に回すみたいなこともありました。本当にこればっかりはやってみた肌感覚でないとわからないと思います。もちろん僕自身それが今できているかというと全くそうでもなくて、いつも試行錯誤しながら、あるのかどうかもわからない答えを手探りで探しています。
気づけばROBOTに入社して10年目。少しはわかってきたような気はしてますが(笑)

清水 健太  しみず けんた

1983年 明治大学卒。東京生まれ。
HONDAやMcDonald’s、AsahiなどのTV-CMを始め、
TBSドラマ「終電バイバイ」、NHKアニメ「不思議のヤッポ島」など、
様々な映像コンテンツの企画・演出・脚本を担当。
他にも昨年オープンした「mizkan museum」の巨大壁面映像の演出など。

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