組のちから
第2回 小泉組

監督が声を荒らげない理由

小泉組-Photo

巣立:監督はまとめる能力がすごいんですよね。作品をまとめる力はもちろん、現場をまとめる力もそうで、みんなの意見をちゃんと聞く。基本はすごく頑固なんですけど(笑)、それでも耳を傾けていて。まずなにより、みんなが意見を言える環境を作ってくれたっていうことが大きいですよね。監督が声を荒らげるところなんて見たことないですから。あるんですか、今まで?(笑)

小泉:たぶんないですね(笑)。現場で何かミスがあったとしたら、それは結局、僕の責任なんですよ。そうならないように指示しなかった人が悪いわけです。それに怒鳴っていい結果になることなんて、まずないですからね。現場が凍りついて、ほかの人のパフォーマンスも落ちてしまう。もしどうしても注意しなきゃいけないことがあるんだったら、あとで呼び出して当人にだけ言えばいい。全体を考えたら、そのほうが絶対いいですよね。

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巣立:本当に頼もしかったです。とにかく絶対だと思っていたのはエンタメを作り上げるっていうことだったんですが、そこに関してもいいものになるっていう確信が持てましたし、キャストないしスタッフとの関係もちゃんと築けていて。みんながただ監督に従うだけじゃなくて、監督の言うことにも自分のやりたいことにも納得しながらやれた現場だった気がしますね。監督がこうと言ったらこうっていう形ではなく、懐を開いてくれているので、スタッフもついていきやすい。もちろん監督の指示が絶対という組もあって、それもいいと思うんですが、うちは違うんですよね。みんなが自分を出し切れるのがうちの組のよさ。スタッフ・キャスト、ひとりひとりの思いと力を集結させて面白いエンタメを作るんだっていう組ができたんじゃないかなと思います。

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