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作品紹介

テレビが辿った数奇な運命を描いた悲喜劇ー。

舞台は高度成長期からバブル期に向かって日本がめまぐるしい発展を遂げていた1980年代の日本。ある日、長年使われてきた60年代製の家具調テレビが廃品置き場に捨てられてしまう。テレビは捨てられた事を受け入れられず廃品置き場から脱出を試みるのだが…。

ROBOTが贈る新作アニメついに劇場初公開!

ロボットはCM、映画、番組など、あらゆるジャンルの映像作品を多数制作する傍ら、常に上質のオリジナル短編アニメーションの制作にも力を注いできました。
そんなロボットが第81回米国アカデミー賞短編アニメーション賞受賞作
「つみきのいえ」に続き、新たに手がけた最新作「ゴールデンタイム」が
このたび劇場公開します。
監督、脚本、キャラクターデザイン、アニメーション等のすべてを担当したのは、ロボットが誇るアニメーション作家集団CAGEの稲葉卓也。本当にあったかもしれない廃品たちの物語を独特のセンスでユーモアたっぷりに描き、どこか懐かしくも切ないエンターテイメントムービーを完成させました。
本作はソウル国際カートゥーン&アニメーション映画祭「観客賞」「アジアの光賞」の2冠受賞を皮切りに数々の国際映画祭にも多数ノミネートされ、海外でも高い評価を受けている作品です。同原作で新たに描きおこした絵本も現在制作されており、来年には出版化も決定しています。

ゴールデンタイム

(2013年/22分50秒/カラー)
監督/脚本/アニメーション/キャラクターデザイン:稲葉卓也
音楽:烏田晴奈 サウンドデザイン:ONPa
プロデューサー:松本絵美 製作:ROBOT 助成:文化芸術振興費補助金 文化芸術振興費補助金

監督プロフィール

稲葉卓也(いなばたくや)OFFICIAL SITE

1976年生まれ。京都精華大学卒業後、2002年より株式会社ロボットに所属。NHK BSのキャラクター「ななみちゃん」のキャラクターデザイン及びアニメーションをはじめとして独自のキャラクターセンスには定評があり、テレビ番組、CM、プロモーションビデオ、絵本など、大人から子供まで楽しめるエンターテイメント作品を多く手がけている。2010年オリジナルアニメーション「KURO」を発表。

プロダクションノート

プロジェクトの成り立ち

米国アカデミー賞に輝いた「つみきのいえ」に続くようなオリジナルストーリーの短編アニメーションを次は稲葉の企画で開発できればと約1年以上を費やし、幾度となく会議が行われた。
稲葉には元々温めていた企画がいくつかあり、「ゴールデンタイム」とは別の企画を半年ほどかけてコンテにしたものもあったが、最終的に「本当にやりたいものはどれか?」と突き詰めた結果、本人が出して来た企画が“捨てられたテレビ”の話であった。

はじめに

半年かけて冒頭の3分間の映像をパイロット版として仕事の合間に稲葉がひとりで制作。全編のビデオコンテ等とこのパイロット版をもって開発プロジェクトとして制作したい旨を会社にプレゼンを行い、ようやく制作の許可がおりた。
アニメーションスタッフには、普段から強力なサポートをしてくれる優秀な若いスタッフたち、老舗オープロダクションのベテランスタッフも参加と心強いスタートを切った。

手仕事

動画、仕上げ、背景に至るまでアナログな手法にこだわった。
キャラクターの着色には、それぞれ古い木の写真、古い布、錆びたブリキの写真などといった、実際の質感を使用することで、その「モノ」自体の存在感を高めている。そのため、パソコンに取り込んだ後のデジタル仕上げの工程は複雑なものとなり、作画段階よりもさらに手作業を有する作業となった。
ちなみに背景画は稲葉が約3週間をかけて100枚を超える絵をオイルパステルのみで描ききっている。

音へのこだわり

音楽は烏田晴奈が担当。音大を卒業後、美術大学でアニメーションを作った経歴をもち、映像と音楽との関係を知り抜いている若き音楽家。
いつか一緒にアニメーションを作りたいという双方の思いが叶って初のコラボレーションが実現した。
絵コンテの段階から、音楽のイメージを共有するべく稲葉と烏田との間で何度となくやり取りがなされ、最初のメインテーマが決まるまで実に三十曲以上の曲が制作された。そんな濃密なやり取りの中で共有されたアニメーションの動きと音楽のシンクロもこの作品の見どころの一つと言える。また、楽器にも竹や廃材のパーカッションを使用するなどユニークな試みがなされ、廃品たちの世界に暖かな彩りを添えている。

効果音

以前より数多くのロボット作品で効果音を制作してきたONPaの小林氏、徳永氏を中心としたチームが担当。
稲葉は今回の作品を台詞なしの映像にすることを決めていたが、主人公含め登場キャラクターが廃品という「モノ」であるため、キャラクターの感情やその「モノ」たちが持つ背景や設定など、今まで稲葉が手がけてきたアニメーション作品より更にキャラクターの存在感を際立たせたいという思いがあった。
そこで、廃品たちの音であたかも会話しているように見せたいという演出意図を伝えた。それを受けたONPaの小林氏が実際の当時の家電での音作りを提案。美術大道具の高津装飾美術倉庫を訪問し、設定と同じ1960年代のテレビや古い扇風機を借りての制作となった。
今回の作品において全編にわたる効果音は登場するキャラクターそれぞれの個性をより際立たせ、魅力的かつ生き生きとしたものにしている。また、今回これらの音を束ねたのは、ミキサーとして参加したイマジカの望月氏。長年にわたりロボットのアニメーション作品を支えてきたスタッフの一人だ。『ゴールデンタイム』は、こうした多くのスタッフの技術と熱意が結集した作品といえる。

(c) 2013 ROBOT COMMUNICATIONS INC. All Right Reserved.

手仕事のアニメーション

予告編チラシ上映情報

絵本「ゴールデンタイム」4月11日(金)発売決定!

絵本「ゴールデンタイム」4月11日(金)発売決定!

アニメーションを原作とした描き下し絵本が4月に発売されます。文は稲葉卓也が以前より大ファンだという絵本作家長谷川義史さんが担当。アニメーションではセリフとして語られていないテレビの新たな物語に出会います。  

詳細情報 

タイトル:「ゴールデンタイム さよならテレビくん」 
原作・絵:稲葉卓也 
文:長谷川義史 
価格:1400円+税
出版社:白泉社 
発売日:4月11日 

【代官山蔦屋書店 絵本のはなし】 加藤久仁生×稲葉卓也

【代官山蔦屋書店 絵本のはなし】 加藤久仁生×稲葉卓也

新作絵本「えきのひ」(加藤久仁生)と、絵本版「ゴールデンタイム」(稲葉卓也)のアニメーションと絵本の関係についてお話します。トーク前(18時半~19時)に「つみきのいえ」「ゴールデンタイム」のアニメーション上映があります。参加は代官山蔦屋書店の店頭、またはオンラインストアにて。

日時 : 2014年3月29日(土)
場所 : 蔦屋書店1号館2階イベントスペース
時間:18時半~21時    

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