組のちから
第5回 齊藤組

ふたりに共通する仕事への考え方

ともに美大のグラフィック出身とプロフィールにも通じるものがあるふたり。

佐々木:齊藤さんに最初に会ったときに同じ匂いを感じて…。変態の匂いですかね!?(笑)

齊藤組-Photo

お互いに子供が出来るまでは、音楽談義はもちろん釣りやスナック遊び(!?)とプライベートでも気の合う仲間だったというふたりだが、仕事においての信頼があってこその関係性で<齊藤組>は成り立つ。ものづくりに対する気構えやCM制作における心構えが重なるというところも、ふたりを結びつけている点だ。

齊藤:いろんな人と仕事をしてきていますが、僕が2回続けてやらない人というのがいて、それは音楽的常識にとらわれている人。音楽は本来ルールがあるものなので、拍の取り方でもコード進行でもこのあとこうはいかないっていう決まりがある。僕自身も音楽をやってきたので、それは分かるんですよ。ただ、15秒なり30秒なりのCMという枠の中においては、いかに見ている人に引っ掛かりを作れるかということが大事になってくるので、時にはルールを壊してでも人の印象に残るものにしなければいけないんですよね。

齊藤組-Photo

佐々木:15秒や30秒の中でのインパクトということで言えば、崩したほうが面白いということが多々ありますからね。固定概念でまとめすぎてしまうのもよくない。そこは大切なところですよね。

齊藤:そもそもCMって、見ようと思って見るものではなく、何か他の事をしている最中に突然出会うもの、そこでどういうふうに印象を残せるかだと思うんですね。言い方は悪いですが、CMって見ようと思って見ている人はいないんですよ、業界の人以外は。音で聞いて気になって、初めて画を見る気になるんじゃないかと思うんです。そこでどうやってインパクトを残せるか。佐々木さんは、そういうベースの考え方から共有できる相手なんですよね。