組のちから
第1回 真壁組

ROBOT社内で、作品を完成させるために日々さまざまに結成される “組”に迫る連載インタビュー。

今回はこの秋、映画『ボクは坊さん。』で長編監督デビューとなる、真壁幸紀監督に話を聞きました。

自分だからできること

真壁組-Photo

「クランクイン前に本広克行監督の『幕が上がる』の現場を見学させていただいたんですよ。そのときに、これは今回の作品(「ボクは坊さん。」)のテーマでもあるんですが、俺だからできることって何かなって考えたんです」
 人気エッセイの映画化となる『ボクは坊さん。』でメガホンを執った真壁幸紀は、これが長編監督デビュー作。ROBOTに2007年に新卒で入社。CM制作部を経て、映画部へ異動。これまで本広克行監督『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』で監督助手、山崎貴監督『ALWAYS 三丁目の夕日'64』で助監督を務めたほか、短編映画を発表してきた。
そんな真壁が初の長編映画で「真壁組」を作るためにしたこととは――。

甘える・任せる

真壁組-Photo

「“僕は基本的に皆さんに甘えます”と言ったんです。新米の監督に力を貸してやるかくらいに思ってもらえればいいなと。僕は安心して皆さんに任せて、何か言われたことに対してYES/NOを答えるというスタンスでいました。実はキャスティングとスタッフィングが終わった時点で8割くらい僕の仕事は終わっていて、映画のトーンも決まっていたんじゃないかと思いますね」

旧知のスタッフと「組」を作る

真壁組-Photo

 今回は「僕がどういうものを撮りたいのかも分かってくれているし、皆さんがどういう画を撮るのか、ライティングをするのかも分かるから」 という理由で、過去に自身の短編や、助監督で一緒に仕事をしたスタッフに声をかけた。
「日数も多くなかったので、なによりコミュニケーションは俳優部に充てないといけなかったんです。だから、ほっといてもすねないでいてくれる方たちというのもポイントでした(笑)」

真壁組-Photo

「“俳優部につきっきりになっちゃうのでお願いします”ってクランクイン前に言いました(笑)。そうしたことで、任された中でそれぞれスタッフも自分の裁量で楽しんでくれていた気がします。分からないことを許してくれて、任されてくれる組。この環境だったからこそ、自分が目指すものも撮れたんだと思います」

真壁監督

真壁幸紀(まかべ ゆきのり)

真壁監督

1984年生まれ。2007年ROBOT入社後、CM 制作部に配属。
2年後、映画部に異動。2015年10月映画『ボクは坊さん。』で 長編映画監督デビュー。

関連作品

  • ボクは坊さん。

    映画『ボクは坊さん。』 10月24(土)より、全国ロードショー
    日々笑いがあり、思わずあふれる涙もある-“お坊さん”ワールドへようこそ

    原作は人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」にて連載され、2010 年に書籍化された、実在のご住職の実体験を基に描かれたエッセイ「ボクは坊さん。」(ミシマ社刊)。 24歳で突然お寺の住職になった主人公が、日々迷いながら“お坊さん”として試行錯誤を繰り返し、自分の道を見つけていく様子を、泣いて・笑って・癒やされ、生きるヒントがたくさん詰まった“お坊さん”エンターテインメント作品として仕上げています。

Text: 渡辺 水央 / Photo: 石井 健(ポートレート)

掲載日 : 2015.10.8

Text: 渡辺 水央 / Photo: 石井 健(ポートレート)